あんのんホールへの思い
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何年か前に、ザルツブルグを訪れた時のことです。


 ちょっとした日用品を買いに、小さなドラッグストアへ入りました。
レジで会計をしながら、ふとみるとレジのカウンターに無造作に、
クリップで挟まれた幾種類かのコンサートのチケットが並んでいました。

 ドラッグストアでコンサートのチケットを売っているのも新鮮でしたが
一枚が日本円で300円、500円という安さにも驚きました。
旅の夜の楽しみに、適当なチケットを買い、その夜、少しだけお洒落をして
コンサートへ出かけました。





コンサートの会場は丘の上の宮殿でした。
薄暗い廊下に、町の人々が少しだけおめかしをして並んで開演を待っていて、
夜、気軽に音楽を楽しみに来たという雰囲気に、彼の地の音楽文化の歴史を感じました。

古い宮殿の広くはない一室に椅子が50脚ほど並べられ、
音楽学校の生徒さんと先生の室内楽が始まりました。

演奏者の息遣いも人柄も伝わってくるような
演奏家と観客がひとつになれたような素晴らしいひと時でした。。

アンサンブルも声楽も、音響の素晴らしい大ホールで味わうのもよいけれど
ちいさな空間で、このように楽しむ場が、身近にあってもいいのではないか。
そんな思いをあたためて、ホールを開きました。

  きがるに楽しく利用していただけたら幸いです★

管理人敬白